「渚先輩。お疲れ様です。」

和樹は残業してパソコンに向き合いキーを高速で打ち続けている渚の机に、カフェで買ったフルーツサンドとコーヒーを置いた。

「あ、宗像君、お疲れ。えっとこれは・・・?」

「差し入れです。渚先輩、夕飯まだですよね?」

「私の分も買ってきてくれたの?ありがとう!お腹空いてたんだよね。」

そう言って渚が財布を出そうとするのを、和樹は制止した。

「お金はいいです。俺のおごりです。」

「え?でも・・・。」

「たまには俺にも格好つけさせて下さい。」

「宗像君はいつも格好良いよ?」

「とにかく金はいりません。」

「・・・そうお?じゃあ遠慮無く頂くね。」

渚は申し訳ない気持ちで小さく頭を下げた。