湊のことを本気で恋い焦がれていたと気づいたのは、夕方かかってきた美和子からの電話を受けてからだ。

渚は美和子からの電話を取り次ぐと、胸の鼓動が早まり息が苦しくなった。

湊と堀内さんはその後どうなったのだろう・・・湊が怒って帰ってしまったあの夜以来、気がつくと渚はそのことばかりを考えていた。

「お電話代わりました。いつもお世話になっております。岡咲です。」

「あ、岡咲さんですか?堀内です!」

美和子の声は明るく弾んでいた。

「その後、給湯器の調子は如何ですか?」

「はい!すぐに修理業者の方が来てくださって、いまはすごく快適です。どうもありがとうございました!」

「いえいえ。それはなによりです。」

そして美和子は嬉しそうに、渚へ報告した。

「岡咲さん、昨夜連城さんから電話がありました!連城さんって思っていた通りすごく素敵な方ですね。優しくって気遣いが出来て・・・。」

「・・・・・・。」

「今度の週末、一緒にスイーツ巡りのデートをすることになりました。岡咲さんのお陰です!ほんとにほんとにありがとうございました!!」

「・・・そうだったんですね・・・それはよかったです・・・」