――宇佐美くんは、私を嫌っているはずだ。それは絶対に、間違いない。


つまりこれは、宇佐美くんなりの私への嫌がらせみたいなものなのかもしれない。

そんなこと思いたくはないけど……今までの宇佐美くんの態度を思い返してみれば、そうとしか考えられなかった。


教室内の一番後ろ、端っこの席というのは、一見逃げ場がないように見えるけど、こうして窓の外に意識を向けることができると思うと、窓際の席でよかったと心から思える。


右隣から突き刺さってくる視線に耐えること十分。教室に担任である佐藤先生が姿を現したことで、宇佐美くんの端正な顔は、ようやく前へと向けられた。

私も逸らしていた顔を元に戻して、先生が立っている教卓に目を向ける。