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昨日のうちに決めておいたのは、今日の十時に学校近くにある神社の前に集合しようということ。

行き先は隣町にある大型ショッピングモールになった。


私は少し早めに家を出てしまって、神社に着いたのは待ち合わせの十五分前だった。

まだ誰も来ていないかと思ったけど、そこにはすでに人影があった。


黒のスキニーパンツに無地のTシャツというラフな格好に、薄手のロングカーディガンを羽織り、鳥居の横に立っているのは――宇佐美くんだ。

こんなことを思うのも失礼かもしれないけど、宇佐美くんが一番に待っているだなんて、何だか意外だった。


私が来たことに気づいた宇佐美くんが、ゆっくりと顔を上げる。艶やかな光を宿した切れ長の目が、真っ直ぐ私に向けられた。

宇佐美くんを見つめたままぼうっとしていたことに気づいて、ハッと意識を浮上させた私は、慌てて宇佐美くんのもとに歩み寄る。