「何ていうゴーウィングマイウェイ……あいつ、人の話聞かなすぎじゃん」


つっこちゃんは半ば感心したように「はぁー」とため息を漏らしているし、夏美ちゃんから事の詳細を聞いた蓮見くんは、頭が痛そうな顔をしてこめかみを抑えている。


「遥翔がそんなことを……分かった。三人の邪魔にならないなら、俺も一緒に行ってもいいかな?」

「ウチらは別に構わないけど……蓮見はいいわけ? 何か予定とかあったんじゃないの?」

「ううん、特にないよ。家でダラダラしようかなって思ってただけだし」

「へぇ、王子はプライベートも予定ぎっしりかと思ってたけど、そんなことないんだね」


一見嫌味にも聞こえそうな言葉だけど、サバサバした物言いのつっこちゃんが言うと、そうは聞こえないから不思議だ。

蓮見くんは「全然そんなことないよ。むしろ家でのんびりしてるのが一番好きかも」って笑っている。