「ねぇ小夜」


二ッと楽しげな笑みを浮かべたつっこちゃんに、頬をつんつん突かれる。


「なぁに、つっこちゃん」

「あと二日は休みがあるわけだしさ、明日は合宿頑張ったご褒美ってことで、どっか遊びにいかない?」

「え、行きたい!」


まさかの遊びのお誘いに、私は元気よく返事をする。

つっこちゃんとは春休み以来中々時間が合わなくて遊べていなかったから、休みの日に出掛けるのはすごく久しぶりだ。


「あの、よかったら夏美ちゃんも一緒に行かない?」

「え? 私も一緒に行っていいの?」

「うん、もちろん。ね、つっこちゃん」

「もち! 何か美味しいもんでも食べに行こ」

「……うん! ありがとう二人とも」


嬉しそうに笑ってくれた夏美ちゃんは、すごくかわいい。

声を掛けてみてよかったなって私も嬉しく思っていれば――夏美ちゃんの後ろから現れた男の子の姿に、私は内心で動揺してしまった。