「小夜ちゃん、今回は勝手にデートの約束とか決めちゃって、本当にごめんね」

「ううん、大丈夫だよ」

「また連絡するからさ。今度こそ仲良くなったら、一緒に遊びに行こうね」


落ち込んでいた大賀美くんも、最後には笑顔を浮かべて帰っていった。


夏美ちゃんは、私が取り合われていたって言っていたけど――後から話を聞いてみれば、宇佐美くんと大賀美くんは、元々ライバル関係にあったらしい。一年生の頃から、練習試合で顔を合わせるたびに言い合いをしていたんだって。

だから今回のことも、その延長線上で、偶々そばにいた私が巻き込まれちゃっただけだと思うんだよね。

宇佐美くんだって、初めは乗り気じゃなかったみたいだし……大賀美くんの挑発にのって、勝負を受けてしまっただけだと思うんだ。

最近は普通に話しかけてはくれるけど、いくら宇佐美くんだって、私なんかと二人きりで出掛けるのは嫌だろうし。