「はぁ? デートぉ? ウチのかわいい小夜を、どこの馬の骨とも知れない野郎と一緒に、二人きりで遊びに行かせるわけないでしょ?」

「その通り! お小夜は渡さん!」

「つーかお前ら、女の子に了承もとらないで勝手にデートの約束とりつけるとか、バカか!」

「ったく、夏目ちゃん、迷惑かけてごめんなぁ」

「え!? いえいえ、私は全然……!」


先輩たちに叱られて、しょんぼり肩を落としている二人の姿を目にしてしまえば、試合前に言おうとしていたちょっぴりの不満の気持ちは、もうすっかり消えてしまっていた。

そして、せめて連絡先は交換してほしいという大賀美くんのお願いを断ることなんて――もちろん私にはできなかった。