「まぁ、遥翔は不愛想だし分かりにくいところも多いけど……いい奴だからさ。嫌わないでくれたら嬉しいな」

「……私は、嫌いにはならないよ」


――だって、嫌ってるのは私じゃなくて、宇佐美くんの方だから。


それを言ったら蓮見くんを困らせてしまう気がしたから、口に出すのはやめておいたけど。


でも、宇佐美くんのことを話す蓮見くんの顔はすごく穏やかで、優しく見える。宇佐美くんのことを大切に思ってるんだろうなってことが、伝わってくる。


「蓮見くんって……本当に、友だち思いで優しいんだね」

「あはは、そうかな？　別に普通だと思うけど」


蓮見くんは謙遜(けんそん)するように小首を傾げながら、爽やかに笑っている。

けれど突然、「んー」と、何か考え込むような顔になる。