「……チッ」


宇佐美くんが小さく舌打ちすれば、ばっちり聞こえてしまったらしい部長さんが身を屈めて宇佐美くんの顔を覗き込む。


宇佐美くんは同学年の中でも身長が高い方だと思うけど、部長さんはそれよりもずっと高い。百八十センチくらいはあるんじゃないだろうか。

こうして並んだ二人を見ると、そのタッパの高さを改めて実感してしまう。


「おいこら遥翔、今お前舌打ちしたろ?」

「……してません」

「いや絶対したじゃねーか! 嘘つくのが下手くそすぎるわ!」


部長さんに頭をぐりぐりと撫でられている宇佐美くんは、物凄く嫌そうに眉を顰めているけど……いつもクールな宇佐美くんがこんな風に先輩と戯れている姿を見るのは、何だか新鮮に感じた。