ペアが蓮見くんであったことに私も安心して笑っていれば、そばで立ち竦んでいた宇佐美くんが、何故か蓮見くんに自分の引いたくじを差し出す。


「凪沙、くじ交換して」

「え? いやぁ、それは……」


困ったような顔をしている蓮見くんに対して、宇佐美くんは一歩も引く気はないといった様子でじりじりと距離を詰めている。


というか、くじを換えてしまったら、私は宇佐美くんとペアになってしまうということで……やっぱり宇佐美くん、私を置き去りにする嫌がらせを考えているんじゃ……!?


「こらこら、不正行為は禁止だかんなー」


二人のやりとりをハラハラしながら見守っていれば、男バスの部長さんがやってきて宇佐美くんの頭に掌をのせた。