「んじゃ、ペアはくじ引きで決めるからなー」


バスケ部部長さんは、小さく折り畳んだ紙が入ったお菓子の空き箱を持って、皆のもとを順に回っていく。


チョコパイの空箱のくじは女子+一部の男子用で、もう一方のカルパスの空き箱はその他の男子専用らしい。

カルパスの空き箱のくじは、さっきおこなっていたじゃんけん大会で勝者した男子のみに引く権利があるのだという。


「ジャンケンも勝てたことだし、どうかっ、どうか女子と組めますように……!」

「オマエ、さっきからそればっかだな」

「だってせっかくのイベントなんだぞ! そこで何か、恋的なもんが生まれるかもしれねーじゃん?」


ひそひそと声を潜めて話している部員二人の会話は、残念ながら周りにいる私たちには筒抜けだった。

隣にいるつっこちゃんは「男子ってほんと馬鹿」と、呆れた顔で呟いている。