「さっきも言ったけどね、宇佐美くんはむしろ、私のことを嫌ってるんだと思うよ」

「嫌ってるって……でも、嫌いな子に自分から話しかけになんていかなくない?」

「それは……私もよく分からないけど……でも、絶対にそうなの」


不思議そうな顔をしている藤崎さんに、私は昨年からの宇佐美くんとの思い出の一部を話して、私が宇佐美くんにいかに嫌われているのか=好かれているだなんて有り得ないのだという動かぬ証拠(?)の数々を話した。


「……何、それ」


私の話を聞いてくれた藤崎さんはおもむろに俯き、小さな声で呟いた。

よく見ればその身体は、微かに震えている。


「ふ、藤崎さん、どうし、「遥翔のやつ、小夜ちゃんにそんな酷いことしてたわけ!?」


具合でも悪くなったのかと思って声を掛ければ、顔を上げた藤崎さんの表情には、苛立ちが滲んでいた。――どうやら怒りに震えていたみたいだ。