「えーっと……藤崎さんと宇佐美くんは、付き合ってるの?」

「え!? 私と遥翔が……? いやいや、ないよ! 絶っ対にありえないから!」

「……え?」

「あれ、もしかして小夜ちゃんってば勘違いしてる? ごめんね、私はただ、幼馴染の遥翔にもやっと春が来たのかと思って、それを確認したかっただけでね……」

「幼馴染?」


大きな声できっぱりと否定した藤崎さんの口から、“幼馴染”という予想もしていなかったワードが飛び出てきた。


「そうなの! 私と遥翔、家がご近所さんの幼馴染でね。ちっちゃい頃からよく一緒に遊んでたんだ。だから遥翔とは、もう実質姉弟みたいなものなんだよね。で、恋愛とか女子なんてめんどくせーって言ってる遥翔が、最近小夜ちゃんに自分から話しかけに行ってる姿を見ちゃったから、もしかしてって思ってたんだけど……そっかぁ。ってことは、遥翔の片思いなのか」

「……ん? ちょ、ちょっと待って藤崎さん!」


勘違いが、更に大きな勘違いに発展している気がする……!