「宇佐美のやつ、あんな風に笑えんだ」

「すっげー、べた惚れじゃん」


そろっと顔を持ち上げれば、誰かがポツリと呟いた言葉に、クラスメイトの何人もが頷いているのが分かる。

正面にいる宇佐美くんを見れば、彼もまた私をジッと見つめていて――そのまなざしはカスタードみたいにとろりと甘く崩れていて、熱のこもった瞳からは、確かな優しさが感じられる。

恥ずかしい気持ち以上に、宇佐美くんのことが好きだなって、目の前の彼を愛おしく思う気持ちが胸の中で膨れ上がってきて。


「……宇佐美くん、好きだよ」


そう、宇佐美くんにだけ聞こえるような小さな声で呟けば――宇佐美くんはポカンと小さく口を開いたまま、ショートしたかのように、しばらく動かなくなってしまった。



そして、二人が付き合っているという噂は、学年から校内全体にまで瞬く間に広がることとなり――初々しくもラブラブ過ぎるバカップルとして、これから大いに囃し立てられることになるのだった。