「今日はさ、小夜ちゃんに伝えたいことがあってきたんだ」

「うん」


直接会って伝えたいことだなんて、よっぽど大切な用件かもしれない。何か相談事とかかな?


そんな予想をしながら、大賀美くんの言葉を待つ。

だけど告げられた内容は、私が全く想像もしていないことだった。


「俺さ、小夜ちゃんのことが、一人の女の子として好きだよ」

「……。……えっ、と……」


言われた言葉の意味が、すぐには理解できなくて。一瞬、頭の中が真っ白になった。

だけど、大賀美くんがすごく真っ直ぐな目で、私を見てくれるから。本気なんだって、その思いが伝わってきて、私は下唇をきゅっと噛みしめた。


――大賀美くんが、私を好き。一人の女の子としてってことは、つまり、恋愛感情としての好きだってことだよね。それじゃあ、この前言っていた、大賀美くんが想っている相手って……。


それを理解したと同時に、夕暮れ時の公園で、自身の恋心を打ち明けた時のことを思い出した。

「諦める必要なんてない」って私の恋心を応援してくれた大賀美くんは、あの時、どんな気持ちでその言葉を伝えてくれたんだろう。


無神経だった自分自身に対しての怒りとか、後悔の感情で、胸がいっぱいになってしまう。