料理部の活動も終わり下校しようとカバンを手にすれば、同じくカバンを手にして帰り支度をしていたつっこちゃんに名前を呼ばれた。


「小夜。夏美ちゃんがね、話があるから体育館裏にきてほしいって」

「夏美ちゃんが? 話って何だろう……とりあえず行ってみるね。教えてくれてありがとう、つっこちゃん」

「うん。それじゃあ玄関までは一緒に行こ」


伝えてくれたつっこちゃんにお礼を言って、並んで正面玄関に向かう。

窓の外はすっかり夕暮れ色に染まっていて、グラウンドではハードルを片付けている陸上部員の姿が見える。


夕陽を背景に肩を叩き合って笑い合っている姿は、これが“青春してる”っていうんだなって感じるくらい、何だかキラキラして見えた。