学校からの帰り道。途中でつっこちゃんと別れて一人で歩いていれば、いつも通る公園が見えてきた。

何となく真っ直ぐ帰る気分になれなかった私は、そのまま足を向けて、空いているブランコに座る。


夕暮れ時の公園に、人の姿は見えない。遊んでいた子どもたちも、家に帰ったんだろう。


「さーよちゃん」


――だけど、誰もいないと思っていたはずなのに声が聞こえたものだから、私は大げさに肩を揺らしてしまった。


「っ、大賀美くん?」

「あはは、驚かせちゃった? でもこんなところで会えるなんて、俺ってばツイてるなぁ」


振り向けば、そこに立っていたのは大賀美くんだった。

でも、大賀美くんが通っている中学校は、ここから一時間以上はかかる場所にあるはず。どうしてここにいるんだろう?


そんな疑問が顔に出てしまっていたのか、大賀美くんはその答えを教えてくれる。