――あれっ? 何だろう、これ。


モヤモヤとしたよく分からない感情が胸いっぱいに広がって、それがズキズキと小さな痛みを伴って訴えてくる。


――あぁ、そっか。私……寂しいんだ。


あんなに嫌だと思っていた宇佐美くんと席が離れて、もう他愛のないお喋りをすることもできないんだなって。今度はあの女の子が、宇佐美くんに、あの柔らかな笑顔を向けられるんだろうなって。

それを痛感して、寂しくて、悲しくなって……私はようやく、この感情の正体に気づいてしまった。



いつの間にか、私はこんなにも宇佐美くんのことが――好きになっていたんだな、って。


私は机に顔を伏せて、ギュッと目をつぶった。