「確認したら、各自移動しろよ~」


クラスメイト全員がくじを引き終えた。

自分の席を確認して一喜一憂している声が、あちこちから聞こえてくる。


私はまた窓際の席だった。今度は前から数えて四番目の席だ。

宇佐美くんは窓側から三列目、前から三番目の席みたい。


「……それじゃあ」


宇佐美くんは短い一言を残して、新しい席に向かっていった。

私も荷物を持って新しい席に移動する。


席に着き、何となく宇佐美くんが座っている右斜め前の方を見てみれば――宇佐美くんは、隣の席になった女の子に話しかけられて、それに言葉を返していた。

いつもの宇佐美くんなら、女子に話しかけられても大体は素っ気ない態度をとっていることが多いのに……その様子を見ていれば、無表情ながらも女の子の言葉にきちんと耳を傾けて、受け答えしていることが伝わってくる。