(……ん? 何だか、胸が痛いような……)


一瞬、胸の辺りにツキンッて痛みが走った気がしたけど……気のせいかな?


胸の辺りに手を置いて内心で首を傾げながらも、まさか告白現場に居合わせてしまうことになるだなんて思っていなかったから、私はバレないように息を殺しながら困り果てていた。


だって、ごみ捨てに行くためにはこの道を通らなくちゃならない。

でも、この空気の中を素知らぬ顔で通り過ぎるなんて、私には無理だ。……また後で出直そうかな。


一旦教室に戻るため、そろりと右足を踏み出そうとして――だけど、黙っていた宇佐美くんが声を発したから、私は出しかけた足をピタリと止めてしまった。