「ねぇ、宇佐美くん。宇佐美くんは……どうして、私に優しくしてくれるの？」
――ついこの間までは、あんなに冷たかったのに。
二言目は口に出さずにグッと飲みこんで、まずはここ最近、ずっと疑問に思っていたことについて尋ねてみた。
宇佐美くんが何て返してくるのか全然分からなくて、緊張で震えそうになる指先を、ぎゅっと握りしめる。
「……どうしてか、分かんない？」
真剣な瞳をした宇佐美くんの手が、私の頬に伸びてくる。
触れた指先にドキリとしていれば――。
「……まつ毛、くっついてた」
宇佐美くんに顔を覗き込まれたまま、クスリと笑われてしまった。
突然の至近距離に動揺して、呼吸さえも上手くできないような心地のまま、固まってしまう。
