「あと昨日、あいつと連絡先、交換してたよね? 何か話したりした?」


自販機のすぐそばで足を止めた宇佐美くんは、小銭を投入することなく、話をする体制で私に向き合う。


「あいつって、大賀美くんのことだよね? 大賀美くんとは、昨日メッセージでやりとりしたかな。美味しいケーキのお店とかね、教えてもらったりしたんだ」


昨日の夜、お風呂から上がったら、大賀美くんからメッセージが届いていた。

試合前に強引にデートの約束を取り付けたことを再度謝ってくれて、その後は、大賀美くんおすすめの、ショートケーキが美味しいと話題らしいケーキ屋さんのことを教えてもらった。