「あの、宇佐美くん。私のせいで負けちゃって、本当にごめんね」

「別に、夏目さんが謝る必要なんてないよ。むしろ俺は、二人でいられる口実ができて嬉しいし」


さっきの試合のことを改めて謝れば、宇佐美くんはいつもの無表情だけど、私の心臓をドキリとさせる言葉をサラッと口にする。


「そっ、……そういうことは、簡単に言わない方がいいと思うよ」


格好いい宇佐美くんにそんなことを言われたら、勘違いしちゃう女の子はたくさんいると思うから。


宇佐美くんは私の指摘に小さく首をかしげながら「分かった」って頷いているけど、多分この顔は、あまり分かっていないのだろうと思う。

宇佐美くんって、意外と天然だったりするのかな?