「それからさ、あの時の言葉。嬉しかったよ」
「あの時の言葉？」
「うん。俺はすごく素敵なことをしたんだから、もっと自信を持って良いってやつ」
「あ、あれは、その……偉そうなことを言っちゃったかなって、後から反省したんだけど……」
「あはは、そんなことないよ。俺もさ、別に誰かから褒められたくてやったわけじゃないんだけど……やっぱり、そうやって自分の行いを認めてもらえるのって、嬉しいよね。夏目さんの言葉はいつだって真っ直ぐだから、俺も心からそう思えたんだ」
目を細めた蓮見くんは、優しい顔で笑う。
蓮見くんの話す声は穏やかで、紡ぎ出される言葉からは、いつだって相手を慮るような温かさが感じられるんだ。
