公園へは電車と徒歩で向かった。
 いつもはお父さんの車で来てたから自分の足で来たのは初めてだった。

「わぁ」

 入口から入ってみたら、公園の中は何一つ変わっていなかった。
 登って遊べるティラノサウルスとトリケラトプスの遊具はそのままで、でも、これってこんなに小さかったっけ? と思った。
 多分、私たちが成長したんだろうけど。

 それから擬似的な道路と横断歩道、それと信号があって、自転車を借りることが出来るのも変わってない。
 奥のほうにあるアスレチックも変わってなくて、長い滑り台も健在だった。
 滑ると底のパイプみたいなのが回って、カラカラと音がするやつ。
 危険だからといって、遊具がどんどん規制されていく世の中で、よく残ってくれていたと思う。

「お姉ちゃん、その自転車小さくない?」
「これしかなかったんだって」

「Aちゃん、信号、赤になったから先に行くね」
「ちょ、置いてかないでよ」

 動きやすいように、わざわざ服まで着替えて、自転車に乗ったり

「この滑り台、早すぎるって!」
「大丈夫、大丈夫、俺がここで受け止め……おふっ!」

 長い滑り台の終わりに失敗して、激突したり

「ほら、早く登ってこいよ」

 ティラノサウルスの上から煽られたり

「無理だよ」
「行けるって。俺が引き上げるから、最初の足かけるところだけ頑張って」
「ここまで頑張ったよ!」
「はい、じゃあ、せーのっ!」

 小さい頃みたいにはしゃいだ。