あ、それってお姉ちゃんだ。

「彼氏っていうか、まあ、そうなんだけど……」

 たしかに昨日あのあと付き合ったけど。私たちは双子の姉妹なわけで。

「え、なに? どっちから告白したの?」
「こ、告白?」

 付き合おうって言ったのはお姉ちゃんのほうからだから、向こうになるのかな?

「ねえ、どっちなの?」
「……向こう、かな」

 木村さんまで聞いてきて、とりあえず答えると

「きゃあ!」

 三人のテンションが上がった。

 女子ってこういう話好きだよね。
 というか、やっぱりお姉ちゃんって誰から見てもイケメンなんだ。
 中身がお姉ちゃんって分かってるから、話せるだけで、全然面識がなかったらガチガチに緊張しちゃうくらい顔が整ってるもんね。

「どこで知り合ったの?」

 また進藤さん。
 朝礼が始まってしまいそう。

「えっと、道で?」

 ほんとは生まれたときから一緒にいるんだけど、とは言えず、またなんとなくで答える。

「ナンパされたってこと? いいなあぁ」
「仲里さん、やるじゃん」
「ぜったいに離しちゃダメだよ?」

 三人にそれぞれ声をかけられる。
 これって応援されてるってこと?

「そんなこと言われても……」

 私だって、お別れしなくていいなら、ずっと一緒にいたいよ。

「はい、朝礼はじめまーす」

 話が完全に終わる前に担任の先生が入ってきて

「また話聞かせてね」

 きゃっきゃと進藤さんたちが離れていく。
 そして、このあと、何故かお昼ご飯も四人で一緒に食べることになった。