「うわ、マジか。それだったら…俺とは合わないかな…。悠が言うように、俺って結構『近い』から。彼女が本当に嫉妬深い人ならムリだ。それとなく聞いて、合わなければ深い付き合いはナシにしないと…」

「その方が良いかもしれないね。合う合わないは、確かにあるから。付き合う前に、きちんと話しておかないとねぇ。お互いに譲歩できないところとか」


まぁ。彼女は単純な仕事仲間程度であれば、良い人だとは思うよ。
動画自体は面白いし、人当たりは良いと思うから。
もちろん、そういうキャラクターとして活動しているからだろうけれども。
でも、恋人としてならどうだろうかね? 私に届いたDMを見る限りだと…うん。やっぱり仁とはあまり会わない気がする。



「はぁ。どうして俺は…」

「今更後悔されてもね。これに懲りたら次の人は、大切にしなさいよ」

「……ッ。あぁ、そうるすよ。ごめんな…それから、今までありがとう」

「私の方こそ。今まで大切にしてくれてありがとう。これからは友人としてよろしくね」


これて、私達は終わった。
けれど、以外にもすっきりと終われた気がする。
仁はまだ引きずってそうではあるけれど。でも、どうしようもないので諦めてもらうしかない。
先に私を、そのつもりがなくとも手放したのは仁なのだから。


「悠はあっさりしているよなぁ。俺、自分でやらかしている分もあって、結構へこんでる」

「入院するほど、さんざん悩んだ結果だからね。もともとドライな部分があるけれど、これでも結構泣いたのよ。頭痛がするくらいには」

「…そっか。入院中に吹っ切れた感じ?」

「そうだね、いっぱい考えた。でも、仁の事は嫌いにはなってないの。だから、私からはこれっきりにはしないつもりよ」


これっきりにするかどうかは、仁次第かな。
仁がこれっきりにしたいと決めたなら。致し方ないけれど、それに従うしかないかなとも思っている。


「ありがとう。今回の件、戒めとして覚えておくよ」

「気を付けてね。じゃあ、また」


そういって、仁は帰って行った。
残った私は、アル教授に連絡を入れて、きちんと別れた事を報告。
ずっと相談していた事だからね。解決したって報告くらいはしないと、礼儀に欠けると思うから。
流石に当日に遊びに行く気にはなれなかったんで、翌日以降都合がつく日に遊びに行く事にした。