「確かに、3ヵ月は長いよねぇ。よし、終わったらパァッと遊ぼうよ。カラオケとか、ゲーセンとかで豪遊も良いんじゃないかな。どう?」

「…良いね。そうしようかな」

「じゃあ。都合がついたら連絡してよ、待ってるから。…それじゃ、長居しても悪いからそろそろ帰るよ」

「え? あ、うん。じゃあ、本来の目的のソーキ準備するね」


時計を見れば夕食時なお時間だ。


「一つこれくらいの量だけど、どれくらいいる?」

「結構食べるよ。だから悠が渡しても問題ない量で大丈夫だよ」

「そっか。じゃあ4セットくらい入れておくよ。タッパーは返却しなくて良いよ、そのまま捨ててね」

「そう? じゃあ、遠慮なく。ふふ、楽しみだな」


保冷バッグに小さめの保冷材も入れて、麻倉くんに渡す。これならこの後の帰宅が遅れても、すぐには悪くならないはず。
受け取った麻倉くんは凄く嬉しそうな顔して、「ありがとう」と呟く。
その笑顔の眩しさよ。


「気負いすぎずに、頑張って」と言って、麻倉くんは帰っていった。
改めて思うけれど、麻倉くんって結構なイケメンさんだよねぇ。
そしてお気遣いが紳士的。
声もイケボなので、結構モテるのでは?
……というか、彼女さん。いないのかな?
いたとしたら、彼の行動も問題ありなんだけど…いるとは聞いていないから、よくわからない。


「どういう…つもりなのかな」


そばにいた時に。
ふんわりと薫るアンバーも相まって、一緒にいて落ち着くなと思っちゃった。

それに、ここ最近とても良くしてくれてるから。
変に意識してしまう。
……いかん、いかん。
彼は、気の合う仕事中と変わらない人だ。
友人でもあるけれど…それ以上はない、と…思わなきゃダメだ。