小さい頃から小説家になりたかった杉原先輩は、高校に入学したら文芸部に入ると決めていた。

一年生のときは、三年生がいたのだが、去年は三年生が卒業してしまい、廃部寸前だったらしい。

杉原先輩は、時田先輩に声をかけ、なんとか廃部の危機を逃れたと聞いている。

ということは、2人が卒業してしまうと、私一人になってしまう。

今年の文化祭では今度こそ、入ってくれる人がいるように宣伝もかねて文集の他に、部の活動内容もきてくれた人たちに説明すると言っていた。

「文化祭、たくさんきてくれるといいですね」

私は心からそう思った。