その日の放課後、いつものように図書室に向かうと、月島先生が本の整理をしていた。

「月島先生」

私が声をかけると、月島先生は柔らかい笑みを浮かべてくれた。

「岡本さん。いつも来てくれてありがとう」

図書室は一週間後に、本格的に利用可能になる。

いままでは、大幅に整理するため、怪我をする人が出ないように、必要なものは別の場所に移動してあった。

そして文芸部と手伝いをしている生徒以外はほとんどの生徒が近づかなかった。

来週からはたくさんの生徒が利用することになるだろう。

月島先生と2人で過ごす時間が減るのは少し残念だが、苦労して片付けをした身としては、多くの人に利用してもらいたい気持ちもあった。