「うん。せっかくだから場所を変えようか」

私と月島先生は、人気の少ない公園にやってきた。

「ここだと、人もいないから、ゆっくり話せるね」

ベンチに座って、月島先生が話し始めた。

「今日は、俺の大切な人のお墓参りにきていたんだ」

「大切な人?」

月島先生は遠くを見つめて、思い出すように言った。

「中学2年生の時に会った女の子がいたんだ」

もしかして…杉原先輩のお姉さんのことかな。

「夏休みに入る直前に、俺は風邪を拗らせて入院したんだ。そこで会ったのが、詩織だった」

もしかして、先生はその人のこと…