「そろそろ帰るか」

一通り、お墓の掃除も終わらせて、帰ることになった。

立ち上がって帰ろうとしていると、見知った人を見かけた。

「ごめん。二人とも先に帰ってて」

「お姉ちゃん?」

そう言ってから、私は、その人物を走って追いかけた。

「月島先生!」

背中に向かって呼びかけると、振り返った。

「岡本さん?どうしてこんなところに」

「両親のお墓参りです。先生も誰かのお墓参りですか?」