「ところで、小説も書くのか?」

時田先輩が気だるそうに言った。

「当たり前でしょ!今回も傑作をみんなに読んでもらいたいから」

前回書いた小説が話題になったから、気合いが入っているようだ。
「それで、志穂ちゃんに相談なんだけど…」

杉原先輩が私をじっと見つめた。

「文芸部に入ってくれない?」

「え?私がですか?」

突然のことに驚いた。

「文集を書くのを手伝ってほしいの。晴翔だけだと不安で」
「おい。どういう意味だ」