「でも根気強く卒業まで待てるならその時まで待った方がいいかもね」

卒業まで…か。

夕方ごろには、すっかり雨も上がり、庭で花火をやった。

いろんな種類の花火があり、私は次々に色の変わる花火を見て目をキラキラさせてた。

「楽しそうだね」

月島先生が、隣にやってきた。

「花火なんてやるの久しぶりなので」

「俺も学生の時以来だよ」

花火を見つめる先生の顔は、どこか寂しそうだった。

その表情意味を、私はまだ知らなかった。