私も椅子に腰掛けた。

「昨日はどこに行ってきたの?」

「昨日は神社と小さな雑貨屋に行きました」

「神社?」

「はい。狐の石像がある…」

月島先生はそれを聞いてはっとした顔をした。

「そういえば、前に女の子を助けたことがあったな」

「え?」

「俺が高校生の時、学校の帰りに神社の近くを通ったら、泣いてる女の子がいて、俺は声をかけたんだ」

私もその時の記憶が鮮明に蘇った。

あの時、助けてくれた高校生の少年は月島先生だ。