神社の説明があったので、それも写真に撮る。

説明書きにはこう書かれていた。

『この神社に祀られている狐は、街を守る神様として人々を見守ってきた。
言い伝えでは、夕暮れ時に一人で遊んでいる子供を見かけると、狐が子供を神隠しに合わせることもあるという』

「へぇ、言い伝えか。面白いね」

杉原先輩は、興味深そうに説明を読んでいる。

「この神社では昔、本当に子どもがいなくなる事件があったらしいぞ。子供は一カ月後に突然戻ってきたようだ」

そういえば、私も小学生の時に、おばあちゃんの家に遊びに行って、迷子になったことがあった。

その時は気づかなかったが、この神社と似た狐が祀られていて、雨が降ってきたため、神社の境内で雨宿りをしたことを思い出した。