いよいよ、合宿の日になった。

バスに乗って目的地まで移動する。

「ところで、合宿ってどんなことをするんですか?」

隣に座っている杉原先輩に尋ねた。

「そんなに堅苦しいことはしないよ。文集に使えそうな資料を集める感じだから、写真を撮ったりノートにメモしてくの。旅行だと思って、気軽に楽しんで」

少し気が緩んでしまった。

まさか本当にこんなに自由だとは思っていなかったのだ。

「あの、杉原先輩と時田先輩は目的があるからいいとして、私は何をすればいいんですか?」

「志穂ちゃんには、私たちと一緒についてきて。いろんな場所に行くから写真撮ってもらえる?」