私は急いでアイスコーヒーの用意をする。冷蔵庫から氷を出して、グラスに入れて、抽出されたコーヒーを注ぐ。

「お待たせしました。アイスコーヒーです」

「ありがとう」

女の人はにっこり笑った。

「片瀬さん、この子が新しく入ったバイトの子?」

どうやら常連のようで、片瀬さんに親しげに話しかけ
た。

「そうなんですよ。前の子がバイトやめちゃって、困ってたんです」

そういえば、バイトをさせて欲しいと頼みに行った時、
バイトをしていた高校生が進学を理由に辞めたことを聞かされたのを思い出した。

「でもまぁ、普段はそんなにお客さん来ないから、なんとかなってはいるんですけどね」