「お待たせ」

私は紬に、お茶を渡す。

「ありがとう」

自分の分のお茶とお菓子をテーブルにおいて、私も座った。

「でも聞いた時はびっくりした。志穂が文芸部の人と知り合いだったなんて」

「有名なの?」

紬が驚いた顔をした。

「去年、すっごい話題になったじゃん。文芸部の出した文集」

確かに去年の文化祭は、いつもより盛り上がったとバスケ部でも先輩達が言っていたのを覚えている。