担任の先生が教室を出て行くと、教室は一気に騒がしくなった。

「ねー、夏休みはどこ行く?やっぱり海?」

「私は海もいいけど、山も行きたーい!キャンプしてみたいなぁ」
みんな夏休みの予定を友達と話している。

私はというと、特に何も考えていない。

紬と夏休みの宿題をする約束をしたくらいだ。

「志穂ー」

教室の前で紬が呼んでいる。

「紬どうしたの?教室にくるなんて珍しいね」