女子生徒に尋ねられて、私はここにきた理由を話した。

「図書室の修理する本を、月島先生にこの教室に持って行くように言われてきたので…あの、お邪魔してすみません」

すると2人が、顔を見合わせて、聞いてきた。

「もしかして君が月島先生の手伝いをしてるって子か?」

男子生徒が聞いてきて、私は頷いた。

「月島先生が来る前は水野先生が図書室の管理してたはずなのに、月島先生がきた途端、水野先生、あんまり来なくなったよね」

水野先生は美術の先生で年が生徒たちと近いため、話しやすいと生徒に人気がある。