「文芸部に?」

なぜ文芸部に運ぶのだろう?

「頼めるかな?」

「わかりました」

文芸部の部室は国語準備室を部室にしているので、図書室の近くにある。

「失礼しま…」

「ちょっと晴翔!」

ドアを開けるといきなり、女子生徒の怒鳴り声が聞こえてきた。

「うるさい。そんなに大声で呼ばなくても聞こえる」

「なにこのあらすじ、全然面白くないんだけど!」

女子生徒が、バンっとクリップで止められた紙の束を机
に置いた。

怒鳴られた男子生徒が、大きく伸びをして立ち上がった。