下半分の棚は大体終わったので、上半分の段に取り掛かろうと踏み台に登った。

しかし、うまくバランスが取れず、足を踏み外してしまった。

「きゃ…!」

落ちる。

そう思った時、だれかに体を支えられた。

「っと、危ない。大丈夫?怪我してない?」

月島先生が心配そうに顔を覗き込んでいる。

「大丈夫、です」

私は月島先生に腕を引っ張ってもらい、立ち上がった。

「高いところは俺がやるから岡本さんは台車に置かれた本を文芸部に持って行ってもらえるかな」