月島先生は、あの時と変わらない笑顔を向けてくれた。

「お久しぶりです。月島先生」

2人でベンチに座った。

「今日で二十歳になったんだね。誕生日おめでとう」

「ありがとうございます」

「それで…」

先生が口ごもった。

「気持ちは、変わらないの?」

「はい。今でも、先生のことが好きです」

先生は困ったように笑った。

「そっか。でも俺も、今だから言えるけど、岡本さんが高校生の時から気になってたんだ」

先生は衝撃的なことを言った。

「はじめて会った時、学生の時の俺と重なったんだ。
どこか抱え込んでるような感じだったから」

あの時の私は、バスケもやめてしまい、空っぽとも言っていい状態だった。