今のところは、誰に言い寄られても、断れる自信がある。

「大丈夫です。私、そんなに安くありませんから」

「ならよかった。しかし、岡本さんも今年で卒業か。時間がすぎるのはあっという間だ。後悔しないように高校生活送るんだよ」

「じゃあ、私が進路選択で後悔しないように、進路相談に乗ってください」

「いいよ。何について答えればいい?」

私は今読んでいた大学の本と仕事関係の本を見せた。

「そうだね。どんなことをやりたいかは、具体的には決まってる?」

私は首を振った。

「いえ、まだ具体的には絞れていません」