「学校って前の学校?」

「あぁ」

『生徒に大怪我させたらしいよ』

再び、紬の言葉が、頭に響いた。

「また思い詰めた顔してる」

グレイの顎を撫でながら、朝倉くんが言った。

「そんな顔してるとみんな心配するぞ」

私は思いっきって口にした。

「学校で朝倉くんのことが噂になってるの」

ぴたっと、朝倉くんは、グレイを撫でる手を止めた。

「俺の、噂?」