朝倉くんが、腕を引っ張って立ち上がらせてくれた。

「ありがとう」

「気をつけろよ」

そう言っている朝倉くんの顔は、少し赤いように見えた。

「志穂、最近、転校生の子と一緒にいるよね」

久しぶりに紬と一緒に帰っていた時、聞かれた。

「朝倉くん?隣の席になって、部活とバイトも一緒なんだよ」

「ふぅん」

なんだか紬は不満そうだ。

「なんか、その子の変な噂聞いたの」