現れたのは、朝倉くんだった。

「朝倉くん!」

私は朝倉くんに駆け寄った。

「きてくれたの?ありがとう!」

朝倉くんは、一瞬、驚いた顔をしたが、すぐに真顔に戻った。

「文集、一冊もらえる?」

100円を受け取り、文集を渡した。

朝倉くんは、文集を見つめたまま、動こうとしない。

「朝倉くん?大丈夫?」

心配になった私が声をかけた。

そして、意を決したように一言言った。