「うん!待ってるね」

午後になって、部活動の出し物が始まった。

文芸部には、去年の効果もあってか、たくさんの人たちが文集を買いに来てくれた。

杉原先輩の小説は、すごく面白かった。

今回は霊感を持つ少女と幽霊の少年の恋の話だった。

文集は売れているが、文芸部に入りたいという人は現れなかった。

「やっぱり、入部希望者いなかったね」

文化祭も終わりに近づき、文集もほとんど売れた。

もう片付けをしようとした時、

「すみません。文集まだ残ってますか?」